第31ステージ 落車 ~酸欠でフラフラ~

同じチームのメンバーとヒルクライムの練習へ金曜の仕事終わり前泊で乗り込む󾬆 場所は千葉県の鹿野山 標高500メートル弱の低い山 コースも平均傾斜6ー7%程度の弛め 前日11時頃に宿に到着し飲み会 就寝は午前2時前頃か 明日は夜明け前に出発し頂上で朝日を拝もうという作戦だ。 この週は仕事もソコソコ忙しく飲み会も重なり毎晩2時就寝 6時起床が続き寝不足が続いていた。。。 ロードバイクに乗り始め、ヒイヒイ言いながらも足をつくことなく遅いながらも同じ坂を登れば2度目 3度目は必ずタイムも縮まり、楽に登れるようになってきた。 チームで最初にヒルクライム行こうと提唱したことから ヒルクライム同好会の会長にもなって、お揃いのTシャツまで作って調子に乗っていた。 朝6時 タバコを一本ふかしてからロードバイクにまたがり5人のメンバーで登り始める。 余裕だった。 夜明け前で気温はマイナス少し暗いせいか体は固いが辛くはない。 先頭はベテランのチームメイト 先日のレースでは表彰台にも上っている実力者だ。 この人は常に冷静で優しい、最初にヒルクライムに付き合ってもらっていろいろ教えていただいた時から実は陰で尊敬している。 学生の時やったレポートで麻薬中毒患者の多くは始めて薬を教えた人間を慕っているというのを何かで読んだ気がする。 中腹で少しキツくなってきた。 ギアがなくなっていく。 アレこんなはずじゃ。。。 後ろから若手のヒルクライマーが力強いぺだリングで追い越していった。 彼はヒルクライム用にロードバイクを新調したばかり。 一番の成長株だ。 いつも寡黙で身長の割りにほっそりとした体躯。まさにクライマーそんな感じの彼に置いていかれても悔しさはない。小気味良く回るペダルを見送る。 息が上がる。 前に先頭のベテランに教えてもらった呼吸法を試す。 ギアを下げる。。。 グッグッ シフターが倒れない。早々にギアを使いきってしまった。 ギアを少しあげてダンシングするが続かない。 おかしいこんなハズじゃ。 後ろから長身のメンバーが追い抜いていく。 彼は一人で東京湾1周や元旦の未明から初日の出を見に一人で行ってしまうような強者だ。彼の大きな力強いフォームを見ていると自分のこじんまりした体格が恨めしい。 あぁ~視界が狭くなってきている。。。 ふらつく スタートからふらつく感じがあったが気にしなかった。 走り始め先頭のリアにがっつりハスってしまった。普段ならあまりないことだが気にしなかった。彼の高級なホイールにキズがないといいなとか思ったくらい。 そう言えばハスっても焦らず押し付けた方が落車しにくいと教えてくれたのも彼だった。 ぐらっ よろけた 拍子で路肩の岩だか土の塊を踏んだ。 うわぁー 前輪が浮いて 林道のアスファルトが目の前にあった。 落車 大丈夫っすか!? 声をかけたのは後を来ていた チームのリーダー 年齢は僕より下でチーム内でも下から数えた方が早いが、人柄でみんなをまとめている。彼がリーダーじゃなかったらこんなにたくさんメンバーも増えなかったし続いてもいなかっただろうと思う。 幸い登りでスピードは出ていないし、 若いときやっていたサッカーやスノーボードで転びなれている。 痛いところはない。自転車も大丈夫そうだ。 ただ 驚いた。 自分の力の無さに驚いた。 これくらいの坂で。。。 寝不足?飲み会?タバコ? 自転車を起こしまた一人登り始める。 もう脚は回らないし呼吸もできない。 吐き気がこみ上げる。 胃から上ってくるスポーツドリンクに昨夜調子にのって飲んだアルコールがまじっているような気がした。 ヨダレや鼻水が止まらない。 すると上の方から先頭をいくはずの彼が下ってきた。 大丈夫~⁉飲みすぎた~⁉ 彼はいつでも明るく優しい。 あわてて鼻水をふき 大丈夫だと返した。 正直ホッとした。 林道の斜面にへたりこんでしまった。 体が動かない。 先に行ってくれと言うと こんなところに寝てたら行き倒れだ。 歩いてでも登れと言われ それもそうだと立ち上がった。 これを飲めと白い粉をくれた。 元気になるという。 クエン酸か何かだが確かに元気になった気がした。 もう少し登ればみんなが待ってる。 自転車に乗れ。 何とか歩くようなスピードで登り始め。 待ってくれていたみんなと合流し山頂にたどり着いた。 助けてくれた彼は用意していたガスバーナーで湯を沸かしコーヒーを皆に振る舞った。 最高に旨かった。 本当に助けられた。 忘れていた。 このヒルクライム同好会の合言葉は 『山に感謝』 助けに来てくれた彼の言葉を聞いて 自分で言い出したことじゃないか。 ひどく後悔した。 帰宅後は友人の結婚式から帰ってきた妻の話もろくに聞かず。 妊活の日だと言われたがそんな気分になれなかった。 気分を害した妻には怒られてしまったが。 夜、布団に入るとき妻にも申し訳ないと思った。 『山に感謝』 『妻にも感謝』 また来週同じ山に登る。

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THE ROAD TO MY BABY

妊活妻をおいて自転車に乗って出かける夫の反省文

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